外国人の転職・中途採用の手続と流れ【面接から就労開始まで】

外国人の転職・中途採用は、日本人とは異なり多くの手続きが必要になります。

さらに、外国人の状況に応じて必要な手続きが異なるため、手続きに慣れていないと、思わぬ罰則を課せられてしまうかもしれません。

このページでは、外国人の転職・中途採用の手続きと流れを、面接から就労開始まで、1つずつ解説しています。

初めての転職、初めての中途採用という方は、ぜひこのページを参考に転職・採用活動を進めてください。

このページでわかること

  • 外国人の転職・中途採用の流れ
  • 転職・中途採用に必要な手続き
  • 手続きごとの注意点

外国人の転職・中途採用フロー

外国人の転職・中途採用フロー①採用面接、②雇用契約書の作成、③所属機関等に関する届出、④在留資格(就労ビザ)手続きa.手続不要b.在留期間更新許可申請c.在留資格変更許可申請、⑤外国人雇用状況の届出
外国人の転職・中途採用フロー

外国人の転職・中途採用は、以下の5つのステップを踏む必要があります。

外国人転職者の中途採用5つのステップ

  • 採用面接
  • 雇用契約書の作成
  • 所属機関等に関する届出
  • 在留資格(就労ビザ)手続き
  • 外国人雇用状況の届出

採用面接

外国人の採用面接では、在留カードをチェックし、適法に滞在していることを確認してください。

不法滞在者を採用し、就労させてしまった場合には、不法就労助長罪で罰せられる可能性があります。

また、在留カードをチェックする際には、在留資格在留期間も確認しましょう。

外国人の現在の在留資格と在留期間によって、雇用契約後に必要な在留資格(就労ビザ)手続きが3つのパターンに分かれます。

雇用契約書の作成

外国人転職者に内定を出したら雇用契約を締結し、雇用契約書を作成します。

「在留資格(就労ビザ)が許可されるかわからないのに、雇用契約を締結しても大丈夫?」と不安に思われるかもしれませんが、在留資格(就労ビザ)の許可は、雇用契約等の存在が前提となっているため、契約を締結せずに許可を取得することはできません。

どうしても不安だという方は、在留資格の取得を停止条件とする、条件付き雇用契約書を作成しましょう。

なお、停止条件付き雇用契約を結ぶ場合には、万が一のリスクを外国人にもしっかりと伝えておいてください

所属機関等に関する届出

転職した外国人は、会社を退職した日から14日以内に法務大臣に対して所属機関等に関する届出をしなければいけません。
(参考:所属機関等に関する届出  

届出を忘れてしまった場合には、20万円以下の罰金が課せられ、次回の更新時に在留期間を短縮される可能性もあります。

届出は外国人本人しかできませんが、転職先企業も届出を怠らないようにしっかりとサポートしましょう。

在留資格(就労ビザ)手続き

外国人の転職・中途採用に必要な入管手続きは、現在の在留資格および残りの在留期間に応じて次の3パターンに分かれます。

外国人の転職・中途採用に必要な入管手続き(3パターン)

転職後の業務内容が現在の在留資格で認められている場合で、かつ、

・残りの在留期間が3ヶ月を超える ➔ a.入管手続きは原則不要

・残りの在留期間が3ヶ月以下 ➔ b.在留期間更新許可申請

転職後の業務内容が現在の在留資格で認められていない場合 ➔ c.在留資格変更許可申請

パターン 業務内容 残りの在留期間 在留資格(就労ビザ)手続き
a 認められる 3ヶ月を超える 不要
b 認められる 3ヶ月以下 在留期間更新許可申請
c 認められない
在留資格変更許可申請

a.入管手続きは原則不要

転職後の業務内容が現在の在留資格で認められているものであり、かつ、在留期間が残り3ヶ月を超える場合、入管手続きは原則不要です。

転職・中途採用した外国人は、入管手続きをせずに、転職先で就労を開始することができます

※ ただし、出入国在留管理局は、転職後の業務内容が入管法の基準を満たしていることを証明する、就労資格証明書の交付を受けることを推奨しています。「転職後の業務内容が現在の在留資格で認められているか」をご自身で判断できない場合には、就労資格証明書の交付を受けておきましょう。

b.在留期間更新許可申請

転職後の業務内容が現在の在留資格で認められているものであり、かつ、在留期間が残り3ヶ月以下の場合、在留期間更新許可申請を行います。

外国人は在留期間の範囲内でしか日本に滞在できません。

在留期間経過後も継続して就労するために、在留期間を更新しておきましょう。

なお、転職・中途採用した外国人は、更新申請前・更新申請中でも、転職先で就労を開始することができます

c.在留資格変更許可申請

転職後の業務内容が現在の在留資格で認められていない場合、在留期間に関わらず、在留資格変更許可申請を行います。

外国人は在留資格で認められている範囲内でしか就労することができません。

範囲を超えて行った就労は、不法就労となります。

外国人に不法就労をさせた雇用主は不法就労助長罪で罰せられてしまいますので、就労を開始させる前に在留資格を変更しておきましょう。

なお、転職・中途採用した外国人は、在留資格の変更許可が下りたあとでないと、転職先で就労を開始することができません

在留資格と認められる活動(業務)

在留資格によって認められる活動(業務)は、「在留資格がわかる!【在留資格の種類と認められる活動】」で詳しく解説しています。

外国人雇用状況の届出

外国人雇用状況の届出記入例

外国人の雇入れが無事完了したら、転職先企業は外国人雇用状況の届出をしなければいけません。

届出の期限は、外国人を雇入れた翌月の10日までです。

届出を怠った場合には罰則もありますので、必ず期限内に届け出るようにしましょう。

届出方法はや届出先は?

外国人雇用状況の届出について詳しく知りたい方は、「外国人雇用状況の届出とは?雇用語の手続きを解説」をご覧ください。

い。

まとめ

アマート行政書士事務所

外国人の転職・中途採用は、在留資格や在留期間によって入管手続きが異なるため少々複雑です。

また、所属機関に関する届出は忘れやすいので、企業側もしっかりとサポートしてあげることが大切です。

もし、「業務内容が認められているかどうかわからない」、「入管手続きが不安」という方は、ビザ申請専門のアマート行政書士事務所に是非ご相談ください。

業務内容の判断や変更・更新手続きの代行など、外国人転職者のビザ申請手続きを徹底的にサポート致します。