外国人社員を雇用する流れは、日本人社員を雇用する場合と同じ点もあれば、違う点もあります。

最も違う点は、面接時に確認すべきことが増えること、就労には在留資格の取得が必要なことです。

特に在留資格の取得に関しては、申請をすればすぐに結果が出る訳ではありません。

数週間から数ヶ月かかることが普通ですので、しっかりとしたスケジュールを立てておきましょう。

採用する外国人に応じて、3つのパターンを解説しますので、まずは雇用の流れを抑えて、就労に至るまでに必要な手続についてシュミレーションしてみましょう。

日本に住んでいる外国人留学生を新卒採用する場合

日本国内に住む外国人留学生を新卒採用する場合の流れは以下のとおりです。

① 募集
まずは、外国人留学生を採用するための求人募集を行います。

外国人留学生の募集方法は様々ですが、「どうやって募集する?外国人社員の募集方法5選」では、外国人雇用で活用される募集方法を紹介しています。
② 面接
留学生を面接する際には、在留カードを見て日本に適法に滞在しているのか確認しましょう。

また、在留資格を取得するためには、従事する業務と外国人の学歴・専攻科目が関連していることが必要です。

業務と学歴・専攻科目の関連性は必ず確認しておいて下さい。
③ 雇用契約書の作成・雇用契約の締結
留学生に内定を出したら、「雇用契約書の作成と雇用契約の締結」を行います。

雇用契約書は、在留資格を取得するための重要な書類となりますので必ず作成しておきましょう。
④ 出入国在留管理局への在留資格変更許可申請(審査にかかる期間の目安:通常1カ月半)
雇用契約を締結したら、出入国在留管理局に対して在留資格変更許可申請を行います。
⑤ 卒業証明書を提出して、出入国在留管理局で在留カードを受け取る(3月中旬以降)
変更許可が出たら、卒業証明書を出入国在留管理局に提出し、在留カードを受け取ります。
⑥ 外国人雇用状況の届出
外国人留学生を雇用した場合、雇入れの翌月10日までに、ハローワーク(公共職業安定所)に対して外国人雇用状況の届出を行いましょう。

外国人雇用状況の届け出については「外国人雇用状況の届出とは?外国人を雇用した後の行政手続きについて解説」で解説しております。

日本に住んでいる外国人を中途採用する場合

日本国内に住む外国人を中途採用する場合の流れは以下のとおりです。外国人の状況や在留資格(就労ビザ)によって、入管手続きが3つのパターンに分かれますので注意して下さい。

① 募集
まずは、外国人社員を採用するための求人募集を行いましょう。

外国人社員の募集方法は様々ですが、「どうやって募集する?外国人社員の募集方法5選」では、外国人雇用で活用される募集方法を紹介しています。
② 面接
国内に居住する外国人を面接する際には、在留カードを見て適法に日本に滞在しているのか確認しましょう。

また、在留資格を取得するためには、外国人が従事する業務と学歴・職歴が関連していることが必要です。業務と学歴・職歴に関連性があるかどうかは必ず確認しておいて下さい。
③ 雇用契約書の作成・雇用契約の締結
外国人に内定を出した場合、「雇用契約書の作成と雇用契約の締結」を行います。

雇用契約書は、在留資格を取得するための重要な書類となりますので必ず作成しておきましょう。
④ 出入国在留管理局への申請(審査にかかる期間の目安:通常2週間~1カ月)
雇用契約を締結したら、出入国在留管理局に申請を行います。

中途採用の場合に必要な申請は、以下の3つのパターンに分かれます。

A 外国人が持っている在留資格で従事する予定の業務を行える場合

外国人社員の残りの在留期間が3ヶ月未満の場合は、在留期間更新許可申請を行います。

外国人社員の残りの在留期間が3ヶ月以上ある場合は、就労資格証明書交付申請を行います。

B 外国人の持っている在留資格では従事する予定の業務を行えない場合

外国人の残りの在留期間に関わらず、在留資格変更許可申請を行います。
⑤ 許可が出たら、出入国在留管理局で在留カード又は就労資格証明書を受け取る
出入国在留管理局への申請が許可されたら、出入国在留管理局で在留カードまたは就労資格証明書を受け取りましょう。
⑥ 外国人雇用状況の届出
外国人社員を雇用した場合、雇入れの翌月10日までに、ハローワーク(公共職業安定所)に対して外国人雇用状況の届け出を行いましょう。

外国人雇用状況の届け出については「外国人雇用状況の届出とは?外国人を雇用した後の行政手続きについて解説」で解説しております。

海外に住む外国人を採用する場合

海外に住んでいる外国人を採用する場合の流れは以下の通りです。

① 募集
まずは、外国人社員を採用するための求人募集を行いましょう。

海外で外国人社員を募集する場合、自社の現地法人や関連会社等を経由して募集を行います。

国内から海外の人材を募集するのなら、SNSや自社ウェブページで募集を行ったり、取引先や知人・友人からの紹介を受けるのがいいでしょう。
② 面接
面接の際には通常の面接事項以外に、学歴や職歴が従事してもらいたい業務に関連していることを確認しましょう。
③ 雇用契約書の作成・雇用契約の締結
外国人に内定を出した場合、「雇用契約書の作成と雇用契約の締結」を行います。

雇用契約書は、在留資格を取得するための重要な書類となりますので必ず作成しておきましょう。
④ 出入国在留管理局への在留資格認定証明書交付申請(審査期間:通常1~3ヶ月)
雇用契約を締結したら、出入国在留管理局に対して在留資格認定証明書交付申請を行います。

在留資格認定証明書は、外国人が日本に入国するために必要な書類であり、在留資格認定証明書の交付を受けることができれば、この後の手続きもスムーズに進めることができます。

また、日本に入国する際には、在留資格認定証明書と一緒に有効期限内のパスポートも必要になります。

もし、外国人社員がパスポートを持っていなかったり、パスポートの有効期限が切れてしまっている場合は、在留資格認定証明書交付申請の前後にパスポートの発行または更新をするようにしておきましょう。
⑤ 在留資格認定証明書の原本を、内定を出した外国人社員に送付する
無事、在留資格認定証明書の交付決定を受けたら、受け取った在留資格認定証明書の原本を外国人社員に送付しましょう。

在留資格認定証明書の有効期限は、発行日から3か月です。

発行日から3か月以内に日本に入国するようなスケジュールにしておきましょう。
⑥ 日本大使館・領事館への査証発給申請(審査期間:通常1週間)
外国人社員が在留資格認定証明書を受領したら、受領した在留資格認定証明書の原本とパスポートを持って、日本大使館・領事館へ査証発給申請を行います。

在留資格認定証明書とパスポート以外の必要書類は、申請先の日本大使館・領事館によって異なりますので、事前に確認・準備をしておくように伝えておきましょう。
⑦ 日本への入国・上陸審査
日本大使館・領事館から査証の発給を受け、パスポートに査証を貼付けてもらったら、日本へ出発します。

日本に到着後、空港または海港で上陸審査(入国審査)を受けます。審査の結果、上陸許可を受けることができれば無事日本で就労することができるようになります。

上陸審査の際には、パスポートと在留資格認定証明書の両方が必要になるので必ず持ってくるようにして下さい。。
⑧ 外国人雇用状況の届出
外国人社員を雇用した場合、雇入れの翌月10日までに、ハローワーク(公共職業安定所)に対して外国人雇用状況の届け出を行いましょう。

外国人雇用状況の届け出については「外国人雇用状況の届出とは?外国人を雇用した後の行政手続きについて解説」で解説しております。

まとめ

いかがだったでしょうか。

外国人雇用をする際の大まかな流れは、以上の3つになります。

外国人雇用が初めてという方にとっては、就労開始までの手続きや流れについて迷ってしまうこともあると思います。

まずはこちらを参考にして、スケジュールを組み、外国人雇用を始めてみましょう。