在留資格「高度専門職」について、国際業務専門の行政書士が解説していきます。

「高度専門職」(高度専門職ビザ)とは、経歴・学歴・資格・日本語能力などをポイントに換算し、換算したポイントが一定水準を超えている場合に取得できる在留資格のことです。

「高度専門職」を取得すれば、「5年」の在留期間がもらえるほか、親と一緒に日本で暮らすこと、最短「1年」で永住ビザを取得できることなど、さまざまな優遇を受けることができます。

このページでは、「高度専門職」(高度専門職ビザ)の、7つの優遇措置認められている業務許可を取るために必要なポイント計算について解説していきます。

在留資格「高度専門職」(高度専門職ビザ)とは

出入国在留管理庁の統計をもとにアマート行政書士事務所が作成

「高度専門職」(高度専門職ビザ)とは、法務省の基準に従って経歴・学歴・資格などをポイントに換算し、そのポイントの合計点数が70点以上である場合に取得できる在留資格(ビザ)のことです。

2014年に取得要件が緩和されたことから、高度専門職ビザを取得する外国人が増加し、2020年には23,876人もの方が高度専門職ビザを取得しています。

2020年に閣議決定された『成長戦略フォローアップ』では、「2022年末までに40,000人の高度外国人材の認定を目指す。」としていますので、今後も高度専門職ビザを取得する外国人は増え続けることでしょう。

出入国在留管理庁の統計をもとにアマート行政書士事務所が作成

出身地域別に見ていくと、中国の方が半分以上の割合を占めています。

さらに、近隣地域である韓国や台湾だけでなく、インドやアメリカといった遠方地域の方も高度専門職ビザを取得しています。

高度専門職 7つの優遇措置

高度専門職ビザを取得した外国人の方は、7つの優遇措置を受けることができます。

どのような優遇が受けられるのか一緒に見ていきましょう。

1.複合的な活動ができる

通常、就労が認められている在留資格ではひとつの活動しか認められておらず、認められていない活動を行った場合、強制送還(退去強制)の対象となってしまいます。

一方、高度専門職ビザの場合、高度専門職としての活動に加えて関連事業の経営を行うなど、複数の活動をすることができます。

2.「5年」の在留期間がもらえる

高度専門職ビザを取得した方は、一律に在留期間「5年」が付与されます。

他の在留資格では、在留期間「1年」か「3年」を付与されることがほとんどで、「5年」の付与を受けるためには、最初の申請からさらに2~3回の更新が必要です。

高度専門職ビザでは最初の申請から必ず在留期間「5年」がもらえます。(さらに、高度専門職2号では在留期間「無期限」

高度専門職ビザを取得すれば、面倒な入管手続きの負担が大きく減ります。

3.永住許可を得るための期間が「10年」→「1年」に

高度専門職ビザを取得した方は、最短「1年」で永住許可(永住ビザ)を取得することができます。

永住許可を得るためには、通常10年以上日本に滞在している必要がありますが、高度専門職ビザを取得した方はその期間が「1年」に短縮されます。(ポイント計算において80点以上の点数を満たしている場合。70点以上の場合であっても、「3年」に短縮されます。)

永住許可を取得すれば、外国人としての制限はほぼなくなり、母国で暮らしているのと同じように活動することができます。

4.配偶者もフルタイムで働くことができる

通常、外国人の配偶者の方は、大学等を卒業していない限りフルタイムの正社員として働くことはできません。

しかし、高度専門職ビザを取得した外国人の配偶者は、語学教師、通訳、タレント・モデルなど、一定の職業であれば、大学等を卒業していなくてもフルタイムの正社員として働くことができます。

フルタイムの正社員として働けるのであれば、配偶者の方の活躍の場が増えることは間違いありません。

5.親と一緒に暮らすことができる

高度専門職ビザを取得した方に、7歳未満の子供がいる(妊娠中も含む)場合には、子供が7歳になるまで祖父母(高度専門職外国人または配偶者の親)と一緒に日本で暮らすことができます。

子供が大きくなるまで、祖父母と一緒に暮らすことができるのは高度専門職ビザのみです。

6.母国の家事使用人(メイド)を日本に呼ぶことができる

高度専門職ビザを取得すれば、海外で雇用していた家事使用人(メイド)を呼ぶことができます。

ほかの在留資格でも、家事使用人を雇用することは可能ですが、同じ国籍の信用できる家事使用人を雇用できるとは限りません。

母国から信用できる家事使用人を連れてこれるのは高度専門職ビザの大きなメリットと言えるでしょう。

7.入国・在留審査(ビザ手続き)にかかる日数が最短5日

高度専門職ビザに関する入管手続きは、他の申請に比べて優先的に処理されます。

通常、2週間~3ヶ月程かかる入管手続きですが、高度専門職ビザに関しては、5日~10日程で審査が完了します。(個別の事情によっては、10日以上かかることがあります。)

高度専門職ビザで認められている業務

在留資格「高度専門職」(高度専門職ビザ)で認められている業務は、以下の通りです。

高度専門職ビザでは、複合的な活動が認められていますが、以下の業務のいずれか1つは必ず行わなくてはいけません。

高度専門職の種類 高度専門職ビザを取得できる職業例
高度専門職1号イ(学術研究) 大学の教授や助教授、講師、研究機関の研究者など
高度専門職1号ロ(専門・技術) ITエンジニアや営業職、外資系企業の駐在員など
高度専門職1号ハ(経営・管理) 企業等の取締役、監査役、理事、監事、部長、支店長、工場長など

高度専門職ビザを取得するには?

在留資格「高度専門職」を取得するには、法務省の基準に従って自身の経歴・学歴・資格などをポイント換算し、70点以上のポイントを持っていることが必要となります。

法務省の基準は以下の表で確認することができます。

⇩ 計算表をクリックして拡大表示

⇩ 計算表をタップして拡大表示

まとめ

いかがだったでしょうか。

在留資格「高度専門職」を取得することができればさまざまな優遇措置を受けることができます。

ポイント計算表で70点以上あれば高度専門職ビザを取得できる可能性がありますので、興味がある方は一度計算してみることをおすすめします。

もっとも、ポイント計算で70点以上であっても、ご自身の経歴・学歴・資格などを証明できなければ許可は取得できません。

もし、「自分が何点なのかわからない」、「自分の経歴・学歴・資格を証明できるのか不安」という場合は、ぜひ、ビザ申請・国際業務専門のアマート行政書士事務所にご相談下さい。

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